Blender 2.76 がリリースされました。公式サイトからDL可能になっています。
早速使ってみたのですが、日本語メニューが変です。ショートカットキーの「N」が「法線」と翻訳されています。(追記:2.76のLatest Build版でこの問題は解消されました。)
これではショートカットキーがわからないw まあ、ノーマルメニューなんだからここまでは許せるとしましょう。
ボーンのロールの再計算まで「法線」です。さすがにこれは萎えます。
Blenderは英語表示のまま使う人が多いので、あまり問題になっていないようです。なので修正されないままということもあります。2.76は私には早すぎたんだ、と思ってアンインストールしようとしましたが、ふと、自分でメニューを編集すればいいんじゃね?、と思い立ちました。
Blenderには「Manage UI Translations」というアドオンが標準でインストールされていて(デフォルトでは無効)、これで翻訳を編集できそうだったのですが、Windows環境では使えないのか、私の知識が足りないだけなのか、使えませんでした。
やむをえず、日本語リソースを直接編集することにしました。まず必要なツールを次のサイトからDLします。
gettext & iconv for Windows
http://mlocati.github.io/gettext-iconv-windows/
DLしたファイルを実行してインストールします。
(2015/11/01追記)
この手のツールのためにインストールをしたくない場合は、次の手順で必要な実行ファイルを抽出することができます。
この手のツールのためにインストールをしたくない場合は、次の手順で必要な実行ファイルを抽出することができます。
- 上記のgettextのサイトからstatic版をDLする。
- innounpをDLし、rarファイルを展開してinnounp.exeを取り出す。
- コマンドプロンプトで、innounp -e -y <DLしたgettextのexeファイル> msgfmt.exe msgunfmt.exe を実行する。
次にja.poというファイルを入手します。これはBlenderのソースファイルに入ってます。または、インストール済みファイルから変換することも可能です。上記のツールをインストールすると、コマンドプロンプトで次のように実行して、ja.poを作成することができます。
msgunfmt 《blenderの実行ファイルがあるフォルダ》\2.76\datafiles\locale\ja\LC_MESSAGES\blender.mo -o ja.po
上のblender.moが日本語リソースを含んだバイナリファイルです。作成したja.poはテキストファイルなのでテキストエディタで編集できます。これを調べると、738行目あたりに原因を見つけました。
msgid "N"
msgstr "法線"
msgstr "法線"
おまえかああ! ショートカットキー以外の場所でも何か使われているのかもしれませんが、元々の表示ならそんなに問題ないだろう、ということでこれを次のように直しました。
msgid "N"
msgstr "N"
msgstr "N"
msgidキーが表示テキストのキーで、msgstrキーが翻訳するテキストです。他の部分も徹底的に編集すれば、ツンデレ系Blenderも作れるぞ!という誘惑に一時的に負けそうになりましたが、時間がないので諦めました。
(2015/11/01追記)
sedが使える環境なら、sed -i -e '/^msgid "N"/N;{s/"法線"/"N"/}' ja.poとコマンドを叩けば済みます。
sedが使える環境なら、sed -i -e '/^msgid "N"/N;{s/"法線"/"N"/}' ja.poとコマンドを叩けば済みます。
次に、ja.poをblender.moにコンパイルし直さなければなりません。コマンドプロンプトで次のようにすればコンパイルできます。
msgfmt ja.po -o blender.mo
blender.moを「《blenderの実行ファイルがあるフォルダ》\2.76\datafiles\locale\ja\LC_MESSAGES」の中にコピーしたら終わりです。念のため、元のファイルを「blender.bak」などとリネームして残しておけば、何か問題があった時にすぐに戻せます。
Blenderを再起動した後の日本語メニューは次のようになりました。

うまくいったようです。
(2015/11/09追記)
2.76bでは間に合わなかったようですが、Latest Build版ではショートカットキーの誤訳は修正されました。Latest Build版はテスト用であり、正式なリリース版とは別の問題が含まれている可能性がありますので、利用は自己責任となります。おそらく、次の公式リリースとなる2.77でこの修正が含まれることになるでしょう。
興味のある方のためにLatest Build版のURLを貼っておきます。
Download Latest Builds:
https://builder.blender.org/download/